自分史・長い物に巻かれない生き方⑲

『天才ジョッキーと「公正な競争」』
郷原信郎 2023.05.05
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1992年9月に、梅澤節男委員長の後任として就任した小粥正巳委員長にとって、大きな課題となったのが、埼玉土曜会の告発見送りが大きな批判を浴びたことを受け、何とかして、談合事件の刑事告発を行うことでした。それをめざす最初の案件となったのが、「目隠しシール」をめぐる印刷業界の談合事件でした。

目隠しシールというのは、印刷物の表面に記載内容を隠すためのシールが貼りつけられた特殊な印刷物です。

公取委は、1990年にも、印刷業界の談合事件として首都高速道路の回数券をめぐる談合事件を取り上げ、排除措置命令・課徴金納付命令を出していました。当時、印刷業界では、恒常的に談合が行われており、しかも、そのやり方が露骨でした。談合金を分配することで話し合いをつけるという形態の談合は、刑法の談合罪による処罰の対象にもなる談合ですが、印刷業界で行われていた談合は、それに近い、利益の配分を伴うものでした。

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