データ改ざんを中心とした企業不祥事の系譜と、近時の品質不正問題の本質 ♯1

郷原総合コンプライアンス法律事務所 法務コンプライアンス調査室長 佐藤督
郷原信郎 2023.02.25
サポートメンバー限定

第1.はじめに

近時、日本の製造業の企業不祥事として、品質不正問題、特にデータ改ざん、捏造などによる検査不正が問題となる事案が多発しています。皆様もそのような認識はお持ちと思います。

ただ、実際のところ、どのような事象が、どれくらい発生しているのか、正確に把握している方はかなり少ないと思います。数が非常に多く、また、継続的に発生し続けたため、網羅的な最新情報を一元的に確認できるような情報源は見受けられず、主な事象をいくつか知っている、という方がほとんどではないかと思われます。そこでまず、2015年頃から、どのような品質不正問題が発生しているのか、一覧で見てみましょう(会社側からの情報発信では、違法でない不祥事の場合には「不適切」との文言が用いられるのが一般ですが、社会一般の認識や報道にあわせて、本稿では法令違反でないものも含んで「品質不正」等と表記します)。

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、11542文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

誰でも
今週のYouTube「維新の重大3リスク」「神保氏と石破政権を語る」
誰でも
今週のYouTube「何のための議員定数削減か?」「上脇教授・維新の”...
誰でも
維新の“目くらまし”の「議員定数削減」に隠された「民主主義への重大な脅...
誰でも
今週のYouTube「令和の政治動乱」「自維連立協議の舞台裏」
誰でも
「党人事空白」で連立協議は困難~多党化への不適応が招いた“自民党の危機...
誰でも
「公明連立離脱」で“高市新政権は挫折、内閣総辞職の理由は消滅、石破首相...
誰でも
今週のYouTube「石破降ろしの結末」「エジプト労働者問題」
誰でも
公明党が“連立離脱の刃”で求める「企業団体献金の受け皿」適正化と「横浜...