データ改ざんを中心とした企業不祥事の系譜と、近時の品質不正問題の本質 ♯1

郷原総合コンプライアンス法律事務所 法務コンプライアンス調査室長 佐藤督
郷原信郎 2023.02.25
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第1.はじめに

近時、日本の製造業の企業不祥事として、品質不正問題、特にデータ改ざん、捏造などによる検査不正が問題となる事案が多発しています。皆様もそのような認識はお持ちと思います。

ただ、実際のところ、どのような事象が、どれくらい発生しているのか、正確に把握している方はかなり少ないと思います。数が非常に多く、また、継続的に発生し続けたため、網羅的な最新情報を一元的に確認できるような情報源は見受けられず、主な事象をいくつか知っている、という方がほとんどではないかと思われます。そこでまず、2015年頃から、どのような品質不正問題が発生しているのか、一覧で見てみましょう(会社側からの情報発信では、違法でない不祥事の場合には「不適切」との文言が用いられるのが一般ですが、社会一般の認識や報道にあわせて、本稿では法令違反でないものも含んで「品質不正」等と表記します)。

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