自分史・長い物に巻かれない生き方⑳

東京地検特捜部ゼネコン汚職事件、仙台「夏の陣」戦記
郷原信郎 2023.05.20
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1993年4月、私は、3年間の公取委での出向勤務を終えて東京地検に復帰し、特捜部に在籍することとなりました。応援ではなく特捜部所属の検事として勤務するのは初めてです。

当時、東京地検特捜部は、政界汚職事件や告発事件などを担当する「特殊直告斑」と、脱税事件その他の経済事件を担当する「財政経済班」の2班体制でした。私は、財政経済班の所属でしたが、ちょうど、この年は、3月に金丸信元副総理が脱税で逮捕され、6月末から、石井仙台市長の収賄事件を始めとする一連のゼネコン汚職事件の捜査が続けられた年でした。私も、その大半、財政経済班から特殊直告班への「応援」という形で、ゼネコン汚職事件の捜査に従事しました。

そこで経験したことが、その後の私の人生に大きな影響を与えることになりました。

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