自分史・長い物に巻かれない生き方⑧
炭鉱事故捜査での「かつて勤務した会社」との戦い
郷原信郎
2022.11.20
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「炭鉱の人命軽視」に覚えた疑問
この自分史でも書いたように、私は、大学を卒業して就職した三井鉱山という会社と地質技術者という仕事に失望し、1年半余りで退社しました。
その時、「国の石炭政策に寄生しているような会社の実態と組織の体質」に反発を覚えました。日本の炭鉱の中では、桁違いに採炭の条件に恵まれていた三池炭鉱で、出炭量の確保にこだわり、貴重なエネルギー資源を大切に扱う姿勢もなく、また、坑内での安全対策も劣悪な状態で生産を続けていたという実態だったのです。