自分史・長い物に巻かれない生き方⑮

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郷原信郎 2023.03.05
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1989年11月下旬、私は特捜部の応援勤務から公安部に戻りました。

その頃は、1990年の平成天皇即位の「大嘗祭」粉砕を叫ぶ、中核派等の過激派左翼の動きが活発化しており、非公然活動家の逮捕が相次いでいました。12月に入ってから私が取調べを担当した被疑者は、中核派革命軍の隊長クラスの大物で、内ゲバ殺人の容疑でした。

革命軍の中核を担う、筋金入りの非公然活動家です。もちろん、逮捕当初から、完全黙秘でした。終始押し黙っている被疑者に対して、取調べ検察官が一方的に話をするという「取調べ」でした。私が取調べを担当した過激派の非公然活動家の多くは、雑談や身の上話には応じてくれ、最後には、供述調書に署名したり、最終的に転向したりしたこともありましたが、唯一、この「革命軍の隊長」だけは、最初から最後まで、一言も話をせず、完全黙秘を通しました。

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