東京五輪談合についてYouTube発信
《郷原信郎の「日本の権力を斬る!」》第226回【談合問題の第一人者、独禁法学者楠上智大学教授と「東京五輪談合事件」を語る】をアップしました。
楠茂樹教授は、現在上智大学法学部に所属する競争法(独占禁止法)学者です。多数の地方自治体の公共調達検討委員会、論文の執筆、各種コンプライアンス・セミナー、討論会等において、私と行動を共にしてきました。これまで独占禁止法、公共調達法制分野の著作を多数公表し、官公庁の有識者委員会委員、企業のコンプライアンス・アドバイザー、事業者団体の学術顧問等の社会活動も多く、主著として『公共調達と競争政策の法的構造』(上智大学出版、2017 年刊行(第 2 版))があります。
公共調達法制は、経済法分野の中でも特殊な分野で、専門の研究者は数少なく、今回の東京五輪談合事件での検察、公取委の動きが表面化して以降、楠教授に、マスコミからのコメント依頼が集中し、多くのメディアにコメントをしていますが、記事には、今回の東京五輪談合事件を独禁法違反の犯罪として捉えること自体についての問題の指摘は、ほとんど反映されていませんでした。
今回、独禁法違反(不当な取引制限)で、組織委員会の森次長と電通を含む受注業者7社を公取委が告発し、検察が起訴した2月28日に、楠教授をYouTube《郷原信郎の「日本の権力を斬る!」》のゲストに招き、東京五輪談合事件の犯罪の成否に関する問題点について、詳しく語ってもらいました。
楠教授は、
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組織委員会にとっては、テスト大会の計画立案業務の発注について、大会までのスケジュールとの関係、全部の競技について一つも穴を空けることなく発注することが重要で、当初、随意契約で発注することを前提に、電通とともに受注調整を開始し、その後、入札で発注することにしたが、入札での発注は「形だけのもの」で、実質的には競争させる意思がなかったのではないか、
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仮に、その意思がなかったとは言えないとしても、組織委員会側と電通との間の調整によって競争制限が行われた「支配型私的独占」であり、電通以外の業者は、テスト大会の計画立案業務全体の合意に加わったのではなく、組織委員会側の意向に応じて個別の案件の入札に参加して受注しただけではないか、
と指摘しています。
東京五輪談合事件は、今後、刑事公判に舞台を移していくことになりますが、これまでマスコミも専門家コメントとして全面的に依存してきた楠教授の見解は、大変大きな意味を持つものと考えられます。
YouTube動画、是非、ご覧ください。
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