「法と正義」を取り戻すための戦いです。東京7区丸川珠代氏、東京9区菅原一秀氏の落選運動に全力で取り組みます!

2024衆院選でも「落選運動」を行います。
郷原信郎 2024.10.18
誰でも

これまで、2021年の横浜市長選挙では、山中竹春氏、小此木八郎氏、同年の衆議院議員選挙では、甘利明氏(神奈川13区)、江田憲司氏(神奈川8区)(【甘利氏・江田氏の落選運動を振り返る ~政党内の「権力者」にNO!を突き付ける機会は選挙しかない】)、2022年の名護市長選挙では、現職の渡具知武豊氏、2024年の東京都知事選挙では小池百合子氏と、落選運動を展開してきました。

有権者が認識すべき「落選運動対象候補者を当選させることの重大な問題」について、YouTubeでの発信、落選運動チラシの個別配布、街頭演説などで徹底した情報提供、選挙区内での情報拡散を図ってきました。

2021衆院選神奈川13区の甘利明氏の落選運動では、現職の自民党幹事長を小選挙区落選に追い込むなど、一定の成果を挙げてきました。

今回の2024衆院選は、9月27日の自民党総裁選で新総裁に選出された直後の30日に、石破新総裁が10月27日投開票の衆院総選挙を行う予定であることを明らかにし、公示直前になって「裏金議員」に対する自民党の公認・非公認の決定が発表されるなど、慌ただしく衆院選の日程と選挙の構図が決まりました。

ようやく自民党の対応が定まったことから、「裏金議員」について、私なりの調査結果に基き、独自の「裏金候補者ランキング」を発表し、YouTube《郷原信郎の「日本の権力を斬る!」》で【裏金バスターズ・緊急発表!<衆院選裏金候補者ランキング>】と題して公開し、有権者に判断材料を提供するなどしてきたところです。

このような経緯から、今回の選挙では、「裏金議員」全体に対する情報提供活動にとどめようかと考えていたところですが、10月15日の公示後の情勢を把握したところ、どうしても私自身が落選運動に立ち上がらなければならないと考えられる選挙区が2つ、対象となる候補が2人いると判断し、急遽、落選運動を開始することにしました。

それは、「自民党公認の東京7区丸川珠代氏」と、自民党に復党したものの無所属で出馬する「東京9区菅原一秀氏」です。

理由は、以下に詳述しますが、この二つの落選運動は、「法と正義」の実現のために行うものです。そのために必要となる費用について、皆様からの御寄付をお願いできればと思います。可能な限り徹底して落選運動を展開していきたいと思います。

丸川珠代氏を当選させてはならない理由

【「この愚か者めが!」丸川珠代議員への「政治家個人宛寄附」告発の“重大な意味”】などでもお伝えしているとおり、私がかねてから指摘していますが、清和会からの「中抜き」による裏金を、「政治家個人宛の違法寄附」として受領した疑いが最も濃厚であることから、今年3月末、上脇博之神戸学院大学教授とともに、丸川氏を東京地検に公選法違反で告発しました。

その告発について、8月末に東京地検が不起訴にしたことを受けて、丸川氏宛てに公開質問状を送付し、丸川氏側の説明を求めるなどした上、その対応によって犯罪の嫌疑が一層高まったとして、10月11日に、検察審査会に審査申立を行いました。審査申立は、東京第2検察審査会で受理され、審査中です。

「公職の候補者」つまり政治家個人の政治活動に関する寄附を受け取ることは、政治資金規正法22条の2で禁止されており、1年以下の禁錮又は50万円以下の罰金に処せられ、公民権停止となって議員失職、さらに、受けた寄附は全額没収となります。

私と上脇教授が、丸川氏について、この政治家個人宛の寄附の受領の嫌疑が特に濃厚と判断したのは、

  • ①丸川氏が、「派閥からノルマ超過分は持ってこなくていいと言われた。資金は(自分の)口座で管理していた」と記者に説明していること

  • ②丸川氏への供与について、清和会側が、今年1月31日に、同氏が代表である「都参議院選挙区第4支部」への寄附であったと訂正している(他の所属議員の多くは、清和会の訂正に合わせて自らの側の収支報告書を訂正している)のに、丸川氏は、2か月もの間、同支部の政治資金収支報告書の訂正を行っていなかったこと

の2点でした。

これらの理由により、丸川氏を被告発人とする公選法違反の告発状を東京地検に告発し、翌日の記者会見でそのことを公表したところ、その日に、丸川氏は、上記政党支部の収支報告書を清和会の訂正に合わせて訂正しました。

多くの所属議員が、清和会の訂正を受けてすぐに資金管理団体又は政党支部の収支報告書の訂正を行っているのに、2か月もの間、全く訂正を行わなかったのは、丸川氏自身が、自分個人に帰属するもので、「政党支部宛の寄附」ではないと認識しており、清和会の訂正に合わせて記載したら虚偽記入になるとわかっていたからだと思います。ところが、それが、「清和会からの供与が丸川氏個人宛であった」とする根拠の一つとされたので、それを知った丸川氏側が(告発状を受け取った検察側からも何らかの連絡があったのかもしれません)、急遽、清和会の収支報告書訂正と政党支部の収支報告書を整合させるための訂正を行ったものだと考えられます。

これらにより、丸川氏の政治資金規正法22条の2違反の違法寄附の受領の嫌疑は十分であり、それに加えて、その犯罪を隠蔽するために、政党支部の収支報告書に訂正の虚偽記入をする、という新たな犯罪の嫌疑も生じたとして追加告発も行いました。

しかし、検察官は、告発状を受け取ってから5か月後に、不起訴としました。

我々は、ただちに、検察審査会への申立を行うことも考えましたが、上記①②の点について、丸川氏に公開質問状で説明を求め、その回答を見極めた上で、検察審査会への申立について最終判断することにしました。

丸川氏は、①について

《「資金は(自分の)口座で管理していた」と報じられているのは、事実に反する。822万円については、事務所で管理していたが、私の個人名義の口座ではなく、私の秘書が、清和政策研究会のパーティー券代金振込用の口座として開設して管理していた。》

と回答し、②については回答しませんでした。

①については、「私個人の口座ではない」との回答でしたが、それでは一体誰の名義の口座なのかについて再質問をしたところ、回答を拒絶しました。口座の名義が答えられないのは、それを答えると、丸川氏個人に帰属していることがわかってしまうからとしか考えられません。このような丸川氏の対応によって、政治資金規正法違反の嫌疑は一層濃厚になったと判断し、私と上脇教授とで、検察審査会への申立てを行ったものです。

①について回答しながら、②について回答しないのは、我々の告発を受けて慌てて行った訂正が、政党支部宛の寄附ではないことを認識しながら、処罰を免れようとして行った虚偽記入だからであることは明らかです。

丸川氏が、「裏金問題」について説明不能の状況に陥っていることから、さすがに、今回の衆議院議員選挙に参議院から鞍替えして出馬をするのは断念するだろうと思っていたのですが、丸川氏は、自民党の非公認の対象にもならず、公示日に立候補の届出を行ったことが報じられました。しかも、ミニ集会などで、

「不透明な資金の流れに気づくことができなかった。反省している」

などと述べているとのことです。これまでの経緯からして、それが全くの虚言であることは明らかです。

菅原一秀氏を当選させてはならない理由

2019年10月、経済産業大臣に就任したばかりの菅原氏は、選挙区内の有権者にカニやメロン等の贈答品を配っていたと報じられ、続けて、秘書が、通夜に菅原氏の名前が入った香典を持参していたことが報じられたことを受け、大臣を辞任しました。

昨年10月に文春の記事が出た直後、私は公設第一秘書のA氏から相談を受けました。菅原氏は、文春の記事が出た直後から、

「自分は香典を持参するように指示はしていない。Aが文春と組んで、大臣の座から引きずり降ろした。」

というような話を、支援者などに言いふらしており、A氏は、事務所からも締め出され、秘書としての業務の指示も全くない状態で、そのままでは、事実無根の話を広められたまま公設秘書を解職され、A氏は、政治家秘書としてだけではなく、社会的信用も失うことになりかねないということで、弁護士の私に相談してきたのです。

私は、A氏と、同様に菅原氏の選挙区内の有権者宅への香典を届ける仕事をさせられていた公設第二秘書のB氏から委任を受け、菅原氏と交渉を行うことになりました。

菅原氏は、経産大臣辞任後、「体調不良」を理由に国会を欠席していましたが、その間も、地元の後援者・支援者などに、「Aが週刊文春と組んで自分を大臣辞任に追い込んだ」などと説明し、その話は、通常国会開会後、国会に出席するようになってからは、政界関係者からマスコミの間にまで広まっていました。

結局、A・B両氏は、2020年3月末で、公設秘書を解職され、菅原事務所からも解雇されてしまいました。その後、二人は、4月1日に、私の事務所で、初めて文春記者の取材を受けました。

6月16日、菅原氏が、突然、自民党本部で「記者会見」を行い、

「近所や後援会関係者らの葬儀が年間約90件あり、自身は8~9割出席しているが、私が海外にいた場合、公務で葬儀に参列できない場合に秘書に出てもらい、香典を渡してもらったことがある。枕花の提供もあった。反省している」

として公選法違反の事実を認めました。

6月25日、東京地検次席検事が「記者会見」を行い、菅原氏の不起訴(起訴猶予)処分を発表しました。不起訴の理由について、東京地検は、

  • ①香典の代理持参はあくまでも例外であり、大半は本人が弔問した際に渡していたこと、

  • ②大臣を辞職して、会見で事実を認めて謝罪したこと、

などを挙げ、「法を軽視する姿勢が顕著とまでは言い難かった」と説明しましたが、犯罪事実が認められるとしながら罰金刑すら科さない理由として全く理解し難いものでした。

検察のこの不起訴処分では、2017~19年の3年間に、選挙区内の有権者延べ27人の親族の葬儀に、枕花名目で生花18台(計17万5000円相当)を贈り、秘書らを参列させて自己名義の香典(計約12万5000円分)を渡したという犯罪事実が認定されていました。

しかし、A氏ら秘書は、常に「菅原一秀」という文字が印字された香典袋を持ち歩き、選挙区内の有権者の逝去の情報を秘書が入手すると、「香典はいくらですか?」と菅原氏にLINEで尋ね、指示された金額を香典袋に包んで、代理持参するよう指示されていたというのが実態でした。公選法違反の被疑者として黙秘権を告知された上での取調べを受けていた2人の供述によれば、公選法違反の犯罪事実は、3年間で約300万円に上っていました。

検察が不起訴処分で認定した犯罪事実が3年間で約30万円とされているのは、

「葬儀が年間約90件あり、自身は8~9割出席しているが、行けない場合にだけ秘書が香典を持参していた」

との菅原氏の説明に基づくものでしたが、実際には、菅原氏は、秘書に選挙区内の有権者に関する逝去の情報を収集させ(しかも、その情報を入手し損ねると、「取りこぼし」とされて秘書は罰金をとられる)、報告を受けて秘書に金額を指示して香典を持参させていたものでした。通夜・葬儀を名目にして、選挙区内に金銭をバラまいていただけだったのです。

しかも、A氏らの話によると、選挙区内の支援者に、お歳暮や暑中見舞いなど、年間を通して贈答品を渡すことが常態化していたこと、新年会などに参加した際には、本来決められた会費以上の金額を町会などに手渡すなど、香典・枕花以外にも、「有権者への寄附」に該当する行為は多数指摘されていました。菅原氏が「法を軽視する姿勢が顕著でない」ということなどあり得なかったのです。

検察の不起訴理由は、到底納得できるものではなく、検察審査会に持ち込まれれば、覆ることは必至だと考えました。

菅原氏の元公設秘書のA・B両氏が、菅原氏に指示されて公選法違反行為を実行していた状況についての「陳述書」や資料を提出するなどし、菅原氏の真実の罪状を検察審査会に理解してもらうよう最大限に審査に協力したことが功を奏したようで、東京第4検察審査会は、2021年2月24日付けで、菅原氏について「起訴相当」の議決を行いました。

まさに、市民の代表として「検察の不正義」を正した画期的な議決でした(【菅原一秀議員「起訴相当」議決、「検察の正義」は崩壊、しかし、「検察審査会の正義」は、見事に示された!】)。

菅原氏は、起訴され、議員失職となることが避けられない状況に至って、議員辞職をしたのです。

菅原氏は、6月8日、公職選挙法違反(寄付の禁止)で略式起訴され、同月21日、東京簡易裁判所から

「罰金40万円・公民権停止3年」

の命令を受けました。

こうして、菅原氏は、2021年7月から3年間の公民権停止となり、同年10月の衆議院議員選挙には立候補できませんでした。その期間が今年7月に満了したことから、今回の衆院選の東京9区に無所属で立候補する意向を示していました。しかし、菅原氏が公民権停止になっていたことから、東京9区の自民党選挙区支部の支部長には、元衆院議員の今村洋史氏が就任し、次の衆院選の公認候補者の予定者として活動を続けていました。菅原氏が無所属で立候補しても、当選は難しいと思われる状況でした。

ところが、自民党森山裕幹事長と小泉進次郎選対委員長との間で行っていた「不記載議員の公認の検討」の結果、不記載金額220万円の今村氏が非公認となり、出馬断念に追い込まれ、一方、公選法違反での罰金刑を受けて離党していた菅原氏が急遽復党を認められ、「党本部推薦」となり、自民党公認ではないものの、公認に近い位置づけが与えられました。

報道によれば、菅原氏は、街頭演説で、

「私自身、地元の祭りや盆踊りに会費を出した、そのことでおとがめを受けました。そのことで私は自ら衆院議員を辞めました。政治家としてけじめをつけた」

などと説明しています。

確かに、地元の祭りや盆踊りに会費を出したことも、公選法違反に当たり得ます。しかし、菅原氏が問われた違反は、そんな話ではありません。秘書に香典、枕花と称して恒常的に選挙区内の有権者個人に金品を贈っていたことが公選法違反に問われたのであり、しかも、検察審査会の起訴相当議決が出され起訴が不可避となったために、やむなく議員辞職したものです。「自らけじめをつけた」のではありません。

本来、菅原氏が反省すべきだったのは、選挙区内で金品をばら撒くやり方が恒常化していたことに加え、週刊文春と結託して自分を陥れたなど秘書に「濡れ衣」を着せて解雇したことでした。それがなければ、私がこの件に関わり、検察審査会の議決で検察の不起訴処分を覆す活動をすることもありませんでした。しかし、菅原氏には、自らの行為への反省もA氏ら元秘書への謝罪も全くありません

今回の落選運動がめざすもの

今回の衆院選でのこの二つの落選運動でめざすのは、「法と正義」を回復することです。

丸川氏に対する落選運動の中で、告発、検察審査会への申立の経緯も含め、丸川氏が政治家個人として寄附を受けた疑いが最も濃厚な「裏金議員」であり、最終的には公選法違反で処罰される可能性が高いにもかかわらず、臆面もなく、参議院議員の職を捨てて衆院選に鞍替え出馬する、という厚顔無恥な行動に出ました。そして、その裏金についての説明も全くデタラメで、有権者を欺く行為そのものです。

菅原氏は、僅か2か月前まで自分が公民権停止になっていた公選法違反の中身についても有権者にウソ偽りを述べ、全く何の反省もしない、というあまりにも不誠実な姿勢をとり続けています。ところが、その菅原氏に対して、自民党本部は、衆院選公示直前、今村氏を非公認にした上、菅原氏の復党を認め、党本部推薦にするなど、矢継ぎ早に菅原氏を優遇する措置をとっています。

菅原氏を当選させ追加公認して当選者数を一人でも増やせばよい、という自民党本部のやり方は、凡そ「ルールを守る自民党」がやることではありません。

この二人の候補の問題は、今、日本の「法と正義」が深刻な危機に直面していることを端的に表しています。この二人の候補の落選という結果を出すことに全力を尽くしたいと思います。この活動の趣旨に賛同してくださる皆さんのご支援をお願い致します。

***

🟥10月27日の衆議院選挙では、東京7区丸川珠代氏と、東京9区菅原一秀氏の落選運動を行います。 チラシは作成中、完成次第、お知らせします。 チラシの作成・印刷・配布に費用がかかります。落選運動の趣旨に賛同し、寄附をしていただける方は、以下の口座にお振込みください。 三菱UFJ銀行 銀座通支店 普通口座1349415 口座名義 ゴウハラ ノブオ  

お問い合わせ、ご連絡はこのメールに返信、または info@gohara-law.com まで。

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